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音楽理論2 一覧に戻る
2021年6月 2日

4:Real minor scaleの世界①


借用コードやセカンダリードミナントの技法により3次元的音楽への扉が開かれつつあります。
これらD7C以外のコードに対応させる非常に有用で重要なものに「Real minor scale」から作られるスケール群があります。
Real minor scaleは音楽理論①第4回で示したスケールの世界でMajor scaleと並ぶPrimary scale(親スケール)の一つで、ここから7つの「コード対応のスケール」が作られます。
これらはMajor scaleを中心として作られる音楽にいろいろな形で混ぜ込むのが一般的な使い方ですが、そこから発展して極めて応用的で攻撃的なコード進行を作ることも出来るようになります。
また、今後中心的なコードとなる「ドミナントコード」の主要な対応スケール候補ともなり、後に学ぶ「Blues System」でも重要な要素となってきます。

大事な感覚として覚えて欲しいことはReal minor scaleはあくまでも「脇役」であり、メインでは使われません。
ポピュラー音楽では「調性(Key)感覚=Major scale」が中心になります。
これらを拡大、発展させる一要素としてReal minor scaleがあります。
Real minor scaleの音楽での立ち位置と効果的な使い方は学習と実践にて徐々に感覚が培われていきます。
ある程度の時間がかかりますが習得のリターンは計り知れないものがあります。

まずは、Real minor scaleから最もよく使われ非常に重要なAltered scaleを学びます。

Altered scaleへの導入

p16で説明した「セカンダリードミナントのB7を考察する」にて「◯+7と◯7(♭5)両方のコードに対応できるスケールが存在します」と予告していました。

スケールの完成にはあと2音必要です。
Diatonic scale成立条件である「5全2半、半音不連続」を考慮すると残りの2音は「C」「D」となります。

この全半構造のスケールを「Altered scale」といいます。
これはReal minor scaleのVIIから並び替えたスケールです。
このAltered scaleは文字通り通常のスケール構造から変化(Altered)させて捉えます。
この全半構造を通常のスケールでのインターバルの捉え方で見ると次のようになります。

対応コードは◯ø7、テンション=♭13、アボイド=♭9、♭11 という、いかにも使いにくそうなスケールになります。

♭11をM3に変化させて(Altered)捉え直す
しかし、「セカンダリードミナントのB7を考察する」にて示したB+7、B7(♭5)のM3はE♭です。
この音は正確にインターバル表記をするならば「o4」(=♭11)ですがM3に変化させて(=Altered)捉え直します。

するとドミナントコード対応のスケールへと変化し、アボイド音だった♭9はテンションと成り上がります。
さらにそれまでm3だった音はM3が存在しているため♯9のテンションとなります。
これは「コードトーンは常に鳴らしておく音なのでm3とM3は共存できない」からです。
なお、テンションは「空気を読んで使う音」なので♭9と♯9が共存してても問題はありません。
楽譜と構造図で確認します。

◯+7、◯7(♭5)でのAltered scale

Altered scale 真の姿と真の対応コード
ドミナントコードの定義によれば「5thはなんでもよく、無くても良い」となってました。
そこで柔軟なコード対応にさせるために5thを確定させずo5→♯11 +5→♭13とします。
これがAltered scale真の姿です。

対応コードは(♯9♭13)と(♭9♭13)付加のテンションコードです。

Altered scale まとめ

対応コードが4種類と非常に多いので簡略表記の7altと書く時があります。
これら対応コードを空気を読んで選んで使いなさいという表記法です。

セカンダリードミナントのB7から解説してきたので便宜上Bから始まるB-Altered
scaleにて示してありますが、:Cにては他にもD♭-Altered、E-Altered、G♭-Altered、A-Altered他など様々なポジションでのAltered scaleが使われます。
12音全ルートから始まるAltered scaleをマスターすることが大切です。
特にコードが大切で7(♯9♭13)の型だけでも弾けるようにマスターしましょう。

【超重要】Altered コードのキーボード練習

Altered scaleの使い方

Altered scaleは極めて応用範囲の広いスケールです。
まずは最も基本的な使い方から始め、様々な技法を習得しつつ少しづつ応用的な用法へとステップアップしましょう。

III7対応スケール→III-Alteredとして
最も入門的な使い方はIII7の対応スケールで使うことです。
III7専用スケールのHmP5bと♭9と♭13で共通するので少しのニュアンスの違いで使うことができます。

ex.) E7alt→Am7

マイナー系コードへ進行するセカンダリードミナントの対応スケールとして
DDMのIII7→VIm7からこれを拡大解釈してマイナー系コードへのセカンダリードミナントを使ったときにAltered scaleを対応させることができます。

具体的には音楽理論②第2回:「D7CへのセカンダリードミナントとII-V化」の表を参照してください。
:Cなら主に A7alt→Dm7がよく使われます。
また、少ない用法ですがB7alt→Em7も使うことができます。
表にはありますが、F♯7alt→Bø7は殆ど使われません。

VIIø7の変化形として
Alteredの通常の見方では7を作ることができたためVIIø7を変化させてVII7altと使います。
当然次にIII7に進む前提ですので:CではB7alt→E7alt→Am7という典型例ができます。

【4Ex-etude1】

Altered scaleから作られるコードは楽譜に書くときにどうしてもコードの原則「3度堆積」の理論に則さない書き方になってしまいます。
この場合、楽譜を見たプレイヤーが見た目で弾きやすい音符形を優先させます。
また、場合によっては♯と♭が混在してしまいます。
これも逆に「Real minorの世界に入っているんだな」と気付くための目印になります。

V7およびメジャーコードに進むセカンダリードミナントI7とIV7の代理コードとして
Alteredコードはドミナントコードなので、当然、代理コード(裏コード)としても用いられます。
特によく用いられるのがV7の裏コードとしてII♭7alt、セカンダリーI7の裏コードV♭7altです。
もちろんII7の裏VI♭7altもありますが登場頻度は少なくなります。

D7CへのAltered scale導入例まとめ
いままでの典型的な使用例をまとめました。
あくまでもMajor scaleに混ぜ込む形が基本になりますので、Alteredコードの使用位置をKeyの度数で把握すると良いでしょう。

【4Ex-etude2】


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