アッパーストラクチャトライアドによるハーモニー技法の概要 | 特定非営利活動法人ミュージックプランツ | 音楽制作・作曲・DTMを支援する会 Skip to content
音楽理論3 一覧に戻る
2021年6月 2日

10:Upper structure triad①


+4P4 Interval build

次の構造で作られる3声パーツの和音です。
+4P4 Interval buildはパーツとして、これ以上の音の積み重ねはありません。

augmented fourth perfect forth interval built chord Cをルートとする場合、上にF♯、Bが重なる

このパーツだけを用いた参考曲です。
【3-10 Etude1】

+4P4 Interval build Etude
+4P4 Interval build Etude

通常システムへの+4P4パーツの流用

ルートを変化させて「C+4P4」パーツを上部に乗せてみます。
もととなる3度堆積コードを確認してみます。

C augmented fourth perfect forth interval built chordを上部構造にもつコード A♭7(♯9♭13)とD7(9,13)が最も用いられやすい

この中で最も用いられるのはA♭7(♯9♭13)とD7(9 13)です。
特に、単純にルートだけを補完したものは「♭13」と「9」をOmitした合理的なVoicingになります。

Augmented forth perfect forth interval built chordにルートのみを補った形のA♭7(♯9)、D7(13)

【3-10 Etude1】
P4パーツ、+4P4パーツを用いた練習曲です。

P4パーツと+4P4パーツを用いた練習曲

Upper structure triad①

Upper structure triad(以下UST)は「上部構成3和音」の意味になります。
まず大切なのは、通常のメロディを支えるコードとして用いるものではなく、ハーモナイズの一手法として用いるものだということです。

【USTの作成条件】

  • 上部はメジャートライアド・マイナートライアド・オーギュメントトライアドを使う(ディミニッシュトライアドは含まない)
  • 上部にテンション音を含むこと(元コードがトライアドの場合は△7を含む)
  • 当然ながらアボイドノートを回避する

【USTの表記法】
分母、分子共にコードネームを使う。

通常の分数コードのように「分母=ルート」ではなく「分母=コード(ベースコード)」となる。

G/C△7

Major scale systemでのUST
:CにてトライアドでのDiatonic chordを確認します。

C Dm Em F G Am
VIIについてはBm(♭5)のディミニッシュトライアドとなるので除外されます。

Ionian~Locrianまでの各アボイドノートを確認します。

アボイド :Cでのノート
Ionian 11th F
Dorian 13th B
Phrygian ♭9 ♭13 F C
Lydian 無し
Mixolydian 11th C
Aeolian ♭13 F
Locrian ♭9 C

元コード(分母)に乗せられる上部トライアドは次の表になります。
なお「✕」のところはアプローチコードとしてなら用いることができます。

ダイアトニックセブンスコード上のアッパーストラクチャトライアドの対照表 コードトーンのみものは除外、アボイドを含むものはバツ印

楽譜で確認します。

 

ダイアトニックセブンスコードにおける全てのアッパーストラクチャトライアド

各USTを通常のコード表記にするとどうなるかを確認してください。

D7CのバリエーションコードにおけるUST

これも、通常のコード表記を確認しましょう。

 

バリエーションコード上のアッパーストラクチャコード

 

USTの実践

Major scale systemでのUSTを用いた練習曲です。
実践で用いるには以下のことを確認してください。

  • USTはテンション音を含むので、すべてにおいて使うわけではない
  • アプローチトーンのところは「✕」のUSTを用いる

上段がメロディ。
2段目がUST、3段目がアプローチハーモナイズです。
USTのサウンドキャラクターを比べてください。

 

アッパーストラクチャートライアドとアプローチハーモナイズの比較と練習曲


アカデミー 4週間体験入会プログラム募集中

これからDTMを始める方、音楽制作スキルをもっと伸ばしたい方の体験入会を募集しています。