10:Upper structure triad①
+4P4 Interval build
次の構造で作られる3声パーツの和音です。
+4P4 Interval buildはパーツとして、これ以上の音の積み重ねはありません。
このパーツだけを用いた参考曲です。
【3-10 Etude1】
通常システムへの+4P4パーツの流用
ルートを変化させて「C+4P4」パーツを上部に乗せてみます。
もととなる3度堆積コードを確認してみます。
この中で最も用いられるのはA♭7(♯9♭13)とD7(9 13)です。
特に、単純にルートだけを補完したものは「♭13」と「9」をOmitした合理的なVoicingになります。
【3-10 Etude1】
P4パーツ、+4P4パーツを用いた練習曲です。
Upper structure triad①
Upper structure triad(以下UST)は「上部構成3和音」の意味になります。
まず大切なのは、通常のメロディを支えるコードとして用いるものではなく、ハーモナイズの一手法として用いるものだということです。
【USTの作成条件】
- 上部はメジャートライアド・マイナートライアド・オーギュメントトライアドを使う(ディミニッシュトライアドは含まない)
- 上部にテンション音を含むこと(元コードがトライアドの場合は△7を含む)
- 当然ながらアボイドノートを回避する
【USTの表記法】
分母、分子共にコードネームを使う。
通常の分数コードのように「分母=ルート」ではなく「分母=コード(ベースコード)」となる。
G/C△7
Major scale systemでのUST
:CにてトライアドでのDiatonic chordを確認します。
C Dm Em F G Am
VIIについてはBm(♭5)のディミニッシュトライアドとなるので除外されます。
Ionian~Locrianまでの各アボイドノートを確認します。
アボイド | :Cでのノート | |
---|---|---|
Ionian | 11th | F |
Dorian | 13th | B |
Phrygian | ♭9 ♭13 | F C |
Lydian | 無し | |
Mixolydian | 11th | C |
Aeolian | ♭13 | F |
Locrian | ♭9 | C |
元コード(分母)に乗せられる上部トライアドは次の表になります。
なお「✕」のところはアプローチコードとしてなら用いることができます。
楽譜で確認します。
各USTを通常のコード表記にするとどうなるかを確認してください。
D7CのバリエーションコードにおけるUST
これも、通常のコード表記を確認しましょう。
USTの実践
Major scale systemでのUSTを用いた練習曲です。
実践で用いるには以下のことを確認してください。
- USTはテンション音を含むので、すべてにおいて使うわけではない
- アプローチトーンのところは「✕」のUSTを用いる
上段がメロディ。
2段目がUST、3段目がアプローチハーモナイズです。
USTのサウンドキャラクターを比べてください。