2:「音」の成り立ちと構成
音楽の構成要素
音楽の3大要素
Rhythm(リズム)
拍子・ビート、一定周期またはパターンの音
最重要要素
Melody(旋律)
音の高低・長短の変化の連続した流れ
Harmony(和声)
複数の高さの音が重なり合いながら変化し、進行していく
作曲の定義と音楽理論の守備範囲
作曲とはメロディをコードが支えるという状態を確定させることです。
これにテンポ指定(リズム)が加われば作曲の著作権が発生します。
メロディの無い音楽の場合は著作権の定義が難しくなります。
また、音楽理論が効力を発揮する守備範囲はメロディを支えるコード部分、コード進行の作り方、メロディの精査に役立つ対応スケールなどです。
メロディ構築にあたり音楽理論による考察が極めて有効になることはありますが、音楽理論のみだけでメロディ構築が成し得られるものでは決してありません。
作曲と楽曲と音楽理論
もう少し大きな視点から音楽理論を見てみましょう。
音楽の商品はCDや各種ファイルデータなどの形になる「楽曲」と呼ばれます。
楽曲は作曲された素体からアレンジ・録音等各種の作業・イベントを通じて作り上げられ、最終的にはMastering工程を経て楽曲データとして完成します。
この中での音楽理論の適応範囲は作曲とアレンジの一部のみです。
こうしてみると音楽理論の適応範囲はとても少なく見えますが、音楽の構造的根幹をなす非常に重要な部分を担っていることが分かります。
ノイズと「音」
我々の耳は20Hz~20kHzの音波を感知(諸説はあり)し、これを可聴域といいます。
この中で実質的にサウンドとして使われるのは50Hz~16kHzほどであり、作曲として用いられる(楽譜上で使われる音符)エリアは更に限られ、概ね60Hz~2kHzです。
可聴域の全音波を同時に発生させて鳴らすと「ノイズ」になります。
このノイズから特定周波数を抽出して「音階」を作り出し、楽譜上に記す「音符」となります。
「音程」と「音名」と基準音
音楽で使う(正確には楽譜=五線譜に記される)音は「基準音」があり、この基準音から派生する音の高さでのみ楽譜には記されます。
基準音:A3 = 440Hz
(「A」はドレミファソラシドの「ラ」と同じ)
(*最も日本国内で用いられているヤマハ式表記を用いている。国際式表記では数字が一つ増えてA4となる)
440Hz(ヘルツ)とは1秒間に440回振動している音です。
振動数が2倍の関係の音のことをオクターブといいます。
A3の1オクターブ上の音:A4=880Hz
A2の1オクターブ下の音:A2=220Hz
A2、A3、A4はそれぞれ「A」という音で、聞こえ方の高さの違いを「数字」で表します。
この1オクターブの間を12分割した「音」たちが楽譜で使われるすべての音です。
そしてそれぞれの音には次の名称がついています。
ここで、登場している英文字は【A B C D E F G】の7種類です。
「7音で音楽を作る」という大原則がポピュラー音楽にはあります。
この7音を順に並べたものを「7音階=Diatonic scale」といい、このDiatonic scaleのうち特に「Major scale」を基軸として書き記すために楽譜があります。
音名 | 英 | C | D | E | F | G | A | B |
伊 | ド | レ | ミ | ファ | ソ | ラ | シ |
音名と度数 コードの基本原則
楽譜に登場する全部の音は12個ですが、ここから音楽で通常に使われるのはDiatonic scaleを構成する7個です。
この7個の音に音名がついており、各音名の間隔のことを「度数」といいます。
音楽の構成要素である「メロディ」と「ハーモニー」の関係を把握・解析する基本材料となります。
度数の測り方
度数とは「音名の登場した数」です。
基準の音名を「1度」として対象の音名までに並んだ音名の数が度数になります。
コードの基本原則「3度堆積」
コードを作る時の大原則が「音を3度ずつ重ねて積み上げる」ことで、これを「3度堆積」といいます。
これもポピュラー音楽を作る時の大前提です。
3度ずつというのは「一つ飛ばしに音を重ねる」とも言い換えられます。