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音楽理論1 一覧に戻る
2021年5月 29日

1:音楽理論総概論


音楽理論を学ぶ意義

「音楽理論」この言葉ほど真意が伝わらず誤解と曲解にまみれた語句は珍しいと思います。
その多くの誤解が生まれた原因を下記に記します。

  1. 音楽理論アレルギーの一部プロたちが声高に「理論なんて必要ない」「作曲はセンスだ」と煽動している

  2. 理論だけで作曲ができると思い、それを嫌悪している

  3. 理論を学ぶことで個性が失われてしまうと思い込んでいる

  4. DTM/DAWの発達で音楽理論を学ぶ必要性が薄れてきている

これらは全部誤解と間違った情報です。

音楽理論を習得せずともある程度の期間は面白く、楽しく音楽を作れるでしょう。
しかし、出来ることが増えてくるにつれて、もっと思いのまま自由に作曲をし縦横無尽なサウンドで楽曲を制作したいと望むほどに大きな壁の存在を感じることになります。
それは、複雑な響きのコードだったり、華麗な転調だったり、Jazzテイストの渋いコードワークスだったりします。
極少数な天賦の才がある方を除いて、自力でそれらの高等テクニックの習得はまず不可能です。
そして意地になって努力すれども果たして身についた(と思われる)技術が正しいのかどうか不安に苛まれ、楽曲に使ってみようともなんとも消化不良なものになってしまうのがオチです。
これはもう定番コースなのです。
数多くの生徒を見てきた経験則でいうところの「大きな壁」を感じて、それを乗り越えようという決意がなければ音楽理論の完全マスターは相当難しいようです。

そして、真実はこうです

  • 作曲にセンスは全く関係ない。
    作曲に必要なアイテムをどれだけ習得し、スキルを積む修練を重ねたかどうかの結果がすべて曲に反映される。
    音楽理論はその極めて有効なアシストアイテムである。

  • あくまでも理論は作曲のためのアイテムにすぎない。
    理論そのものだけで作曲できるようには決してならない。

  • 理論を知らないことはアイテムが少ないことを意味し、かえって没個性に繋がる。
    そして自分で闇雲に音を重ねてデタラメになる危険性が高まる。
    正しい音の重ね方の道標が音楽理論であり自由な発想への基盤となるものである。
    個性は盤石な基礎の上に成り立っていくものである。

音楽理論の習得は完全なる自由自在な音楽制作への最短な道だと言えます。
しかし現実は「音楽理論は難しい」「理論を学んでみたけれどさっぱりわからなかった」という声を多く聞きます。
音楽理論が難解なイメージをもたれているのはいくつか理由が考えられます。

  • 自分のやりたい音楽の方向性に音楽理論の流派が合致していない

  • 難解すぎる本を買ってしまった

  • 実践に満たない簡単すぎる内容で終わってしまった

  • 学んだ先生が理論をマスターしていなかった

  • そもそも音楽理論に間違った部分がある

  • どこまで学んだらいいのかイメージ出来ない

驚くような内容もあるかと思いますが、すべて事実です。
特に最初に記した

自分のやりたい音楽の方向性に音楽理論の流派が合致していない

この事はここで少しだけ説明します。

音楽のジャンル、カテゴリーは膨大な数に登るのに、語られるワードとしてはほぼ「音楽理論」の一語です。
しかしせめて「クラッシック系の音楽理論」と「商業ポピュラー系の音楽理論」とは分けて考えるべきです。
それを一緒にして説明している記事や本などがとても多く、論議の場などでも会話のデッドボールになっていることを良く見かけます。
料理に例えると(これから、料理と語学の例えがたくさん出てきます。音楽とこの2つはとても良く似ています。)寿司職人になりたいのにフランス料理学校で技法を学ぶようなものです。
もちろん重なる領域は多分にありますが、明確に分けて説明されるべき事柄もたくさんあります。
このためには、これからここで説明していく「音楽理論」がどういう範囲範疇のもので利用でき、効果があるものなのか、明確にする必要があります。

通常に娯楽の目的で売買される楽曲
→商業ポピュラー音楽を作曲・編曲・制作・説明・解析・応用利用するのに役立つ

これがこれから説明する音楽理論です。
具体的な音楽ジャンルで言えばポップス、ロック、ブルース、ジャズ、ラテン系、ワールド系、大部分のテクノ、一部分のクラッシック音楽…ほぼ大部分の商業的な音楽を網羅できます。
逆に通用できないのが、難解な現代音楽の類、聞いていて気持ちの悪い曲、「娯楽」に当てはまらない楽曲、などです。
12音技法などを用いて3度堆積または4度堆積コードで構築されていないもの、数学的記号論的作曲によるもの、微分音の集合、破壊系音楽などなど・・・これらのジャンル音楽には適用できません。
これはまた違う機会に詳しく説明します。
よってクラッシック音楽の諸理論やこれまでに間違っている記述などを含んでいる理論体系と具体的に区別するために、これから説明していく音楽理論に名前をつけようと思います。
「汎用複合様式適合型作曲専用新標準音楽理論」
本当はこう言いたいのですが長過ぎるのでここでは

「新標準音楽理論」

と呼ぶことにします。

新標準音楽理論での世界観

音楽理論を学ぶとどんなことができるようになるのか、どこまで学べば望む響きやサウンドが得られていくのか、まずはこのイメージを掴むことが重要です。
殆どの本や教育機関では、このゴール設定が曖昧なため理論を学ぶ目標が立てづらくなっています。
曲の材料や技法、構造等で次のように次元構造で区分して説明しようと思います。

  • 0次元の音楽

    0次元=点
    単一の材料のみで出来ている音楽, 音階を持たない音楽, ノイズやビートのみの音楽, フォークロア, シャーマニズム, テクノの元型など

  • 1次元の音楽

    1次元=線
    ビート+メロディ, 無伴奏音楽, モノフォニー, 教会旋法←MajorScaleの源流, グレゴリオ聖歌

  • 2次元の音楽

    2次元=面
    Major scale systemでの通常音楽構造, ホモフォニー, 調性音楽の基軸, 一時的転調材料(ミクロ転調)を含む←関係調,
    ポピュラー音楽の80%以上, 古典派

  • 3次元の音楽

    3次元=立体
    複数の調性を持つ音楽 関係調への転調 自由転調
    Real minor scale systemの流入, Blues状態, Bluesとの融合, 4度堆積の利用, 古典派後期からロマン派,
    印象派から近代成立まで, ブラックコンテンポラリー, プログレッシブ・ロック, AORなど

  • 4次元の音楽

    4次元=時空
    複数の調性が同時共存する, Approach harmonizing, スーパーインポーズ, Upper structure triad,
    ロマン派~印象派~近現代の一部, ディズニー音楽, 劇伴等

音楽理論のモノサシ

理論の説明で使われるモノサシはたったの2つしかありません。

  • 全音と半音

    半音=鍵盤一つ分 記号:⋀
    全音=鍵盤二つ分 記号:⊓

  • インターバル(最重要アイテム)

    [状態記号]+[度数] 例:m3 M6 +5
    2音間の正確な距離を表す 
    度数(音名の距離)と半音数で決定される

この2つのモノサシだけで、音楽理論は全部説明されます。
スケール構造で全音と半音が使われ、スケールやコードの構成音、メロディの解析にインターバルが使われます。
この2つは入門から最終奥義まで使われ続けます。

エチュード


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