ブラス・ストリングス編成によるアンサンブル構築の概要 | 特定非営利活動法人ミュージックプランツ | 音楽制作・作曲・DTMを支援する会 Skip to content
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2021年3月 29日

5:Stringsアンサンブル構築法とBusとAux


ポピュラー音楽は「4R1L=4リズム1リード」のアンサンブル構成を基本パートとしています。
ストリングスはブラスと並び、そこから装飾を施すパートです。
ストリングス・ブラスの本格的なアレンジは管弦楽法の高度な知識を必要としますので、この講座ではあくまでもDTMでの簡易シミュレーションに留めた域で説明します。

ストリングスとブラスは考え方が同じ

「4R1L」に装飾を施すという意味で、ストリングスとブラスの役割は同じです。
サウンドキャラクターの違いはありますが、音符の組み方に関しては同じ考え方が通用します。

ポピュラー音楽で標準的に使われるパート構成

ストリングス
バイオリン1
バイオリン2
ビオラ
チェロ

ブラス
トランペット1
トランペット2
トロンボーン
アルトまたはテナーサックス

音域

各楽器の音域

アレンジメントのイメージ

4R1Lに装飾を施すのは、絵で背景を描くことと似ています。
メインの対象物を引き立たせるための背景と捉えるのが良いでしょう。

極めて抽象的ですが、曲の進行とともに盛り上がる全体のサウンドに装飾を施すイメージを記します。

アレンジのイメージ

これらの色の薄い所、濃い所、アクセントのところなどをフレーズ別のサウンドの組み合わせで表現していきます。

基本的な考えはストリングスもブラスも全く同じです。
サウンドのイメージカラーや求める力強さ、洗練度合いなどで選択します。

ストリングスとブラスのサウンドイメージ

ストリングス
綺麗流麗
薄い色付け
盛り上がりへのアクセント躍動感

ブラス
質実剛健鋭さ
グルーブ感
感動とやすらぎ

フレーズ考察

求めようとするサウンドのアレンジをフレーズ別に捉えると効果的です。

白玉
全音符、または2分音符などの長い音符でコード弾き。
オープンボイシング(1oct以上)は薄く広がり、クローズドボイシング(1oct以内)は濃く鋭さが出ます。

カウンターライン(裏メロなど)
最もよく使われるフレーズです。
メロディを引き立たせるための独立した大きなラインメロディ。
メロディと同じにユニゾンして用いられることもあります。

パッセージ(速弾き)・差し込み
細かい音符の速弾きフレーズや、瞬間的な短い音で差し込まれるフレーズ。
アクセント的に使われます。
ストリングスでは駆け上がり、駆け下がりで盛り上がりを表現します。
メロディが使われていない所、ロングトーンで伸びている所、次のセクションへの橋渡しなどでよく使います。

リズム
ストリングス・ブラスはリズムセクションではありませんが、要所でリフ的なフレーズでリズムを奏でると印象的なサウンドとなります。

ソロ
ソロセクションのリードパートとして

【参考曲】
All Around the World/Lisa Stansfield(1989)
薔薇は美しく散る [ベルサイユのばら OP]
恋のつぼみ/倖田來未(2006)
Love’s Holiday/Earth, Wind & Fire
Fantasy/Earth, Wind & Fire
Let’ Groove/Earth, Wind & Fire

ストリングスの打ち込み

トップラインを作る↓

ストリングスの打ち込み1

必要に応じてハーモナイズで4声化

ストリングスの打ち込み2

バイオリン1&2 ビオラチェロに分ける

ストリングスの打ち込み3

まとめトラック(Track Stack)でオートメーションとエフェクト

オートメーションとエフェクト1

オートメーションとエフェクト2

オートメーションとエフェクト3

BusとAux

LogicProでのMixerにおける信号経路を理解するにあたり、BusとAuxの概念を説明します。
これらは機種により呼称名が様々に変わることがあるので注意が必要です。

メイン信号
ソフトウェア音源トラック・オーディオトラックなどのメインのチャンネルストリップから出力されて、MixerのOutPutチャンネルストリップ(最終のStereoOut)に接続している信号のこと。

Bus信号
メイン信号から「分岐」させたものや、MixerのOutPutチャンネルストリップへ直接接続せずに「迂回や経由」させた経路の信号のこと。

Aux(オグジュアリー)チャンネルストリップ
ソフトウェア音源トラック・オーディオトラックなどのメインのチャンネルストリップではなく、Bus信号や音源のマルチ出力などの信号を受け取る予備用のチャンネルストリップのこと。

エフェクトのセンドリターン

BusとAuxの使用例として「エフェクトのセンドリターン」があります。
チャンネルストリップに直列でエフェクトをかけるのではなく、空間系や、複数のトラックにまたいで同じエフェクトをかけたいときに用います。

エフェクトのセンドリターン

Track Stack

BusとAuxの機能利用を簡便化したものに「Track
Stack」があります。
複数のトラックをまとめあげて一つのトラックに見立て上げるものです。
このとき、まとめ上げた上位のチャンネルストリップの扱いは「オーディオトラック属性のAuxチャンネルストリップ」だということです。

Track Stack


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