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サウンド/トラックメイキング Mix/Mastering【初級】 一覧に戻る

2021年3月 29日

5:マスタリング


2mixからMasteringへの分業の意義

楽曲制作時において一旦アレンジメントが終了し、各トラックのサウンドメイクやバランス取りが完了すると「TD=トラックダウン」を行い「2mix」ファイルを作ります。
CDシングル、アルバムプロジェクト等では楽曲は1曲だけでなく、3~10曲程度をつくり上げることになります。
そのため後に各楽曲を並べてEQや空間系など質感を統一させるために、最終工程をわざと残した状態で仮組みのmixを行うのがTDの意義です。

ディザリングの優位性

CDフォーマットを始めデジタルメディアの主流が「16bit44.1khz」放送業界だと「16bit48khz」です。
ギターやボーカルトラック、打ち込みのサウンド内部処理は24bitで行われるDAWが多く、レコーディングは24bitが主流で2mixも24bitで作成されます。
Masteringにて「24bitから16bitへダウンビットコンバート」を行う際に「ディザリング」処理を施すことで16bitレコーディングよりも高音質を獲得することができます。

Masteringでの良い結果はトラックのサウンドメイクで決まる!

TDに向けたトラックサウンドメイクにてMasteringでより良い結果を得られるように十分な下ごしらえをしておくことが望ましいです
繰り返しになりますがこれは主に「EQ」「コンプ」の処理になります。
特に「EQ」処理については低域帯などの最も音が混雑する部分など、トラックごとにその役割を決めて必要域と不必要域をしっかり分けてバッサリカットしてしまう処理などが求められます。

Mastering

2mixから行うのは最終的な「音質調整」「音場調整」「音量調整」です。
「音場調整」は空間系のエフェクターのことで必ずしも調整に必要ということではありません。
状況に応じて行います。
また、調整順番もエンジニアや流派でいろいろと変わりますが、まずはオーソドックスな工程を示します。

Masteringにつかうエフェクト

マルチバンドコンプレッサー

周波数帯域別に区切ってコンプレッサーをかけられるタイプのものです。
特に激しく変化する低域や、音が尖りすぎてうるさく聞こえる中高域を均すのに絶大な効果があります。

また、最後のマスタリング時にEQスペクトラムを均質化させることにより音圧を稼がせるのにも定番で使用されます。

非常に汎用性が高くドラムサウンドの押し出しに、ベースなどの音が暴れやすいパートに、パーカスなど種々の打楽器のまとめミックス(ステム)に、ボーカルなどにも使われます。
あまり多用し過ぎると平坦になりすぎてアタックポイントが失われたり、ダイナミクスが一様になりすぎてサウンドの迫力を損なうことにも繋がります。
これだけは経験で修練を積むしかありません。

Linear Phase EQ

Logicでの最も汎用性の高いイコライザーツール「Channel EQ」と全く同じ外観、パラメーターを持つが内部処理は全く違います。
急激なEQカーブを施しても全く位相がずれることがありません。
効き目の細やかさや、高密度なサウンド変化など全く完璧なEQですが、CPU消費が高く、レイテンシーを伴うのでトラックメイキングには使えません。
全て打ち込んだ後でのトラック使用やトータルミックス時にマスター・チャンネルでの使用に限られます。
構造的には以下の3種類のフィルターを計8個装備しています。

Match EQ

「ひな形」となる目的音と現在の素材音の周波数特性の「差」を埋めて目的音に近づけさせるユニークなEQ。
云うならばEQコピーマシン。
通常はアルバム製作時に各楽曲の音質のばらつきを無くすために使用します。
アイディア次第で非常に可能性の広がる面白いツールです。

詳細はP10を参照のこと

場調整で使うReverbエフェクト

Masteringでは「トータルリバーブ」というかけ方で空間系の響きを足すことがありますが、昨今ではあまり用いられなくなりました。
さらにサウンドの「立体感」を出したい時にリバーブの「ER=初期反射音」を用いて「サウンドの影」(P7参照)を足します。
「ER」を個別に設定できるのはIR型リバーブではまず無いのでアルゴリズム型のリバーブを用いることになります。

*LogicPro10.4よりPlutinumVerbは「レガシー」カテゴリーのエフェクトになりました

ステレオコントロール用のエフェクト

ステレオベースをコントロール。
広がりを「0」にすると完全モノラルになります。

強制的に音を左右に散らさせることができます。
Mastering時には中高域でかけて低域は避けるのが基本です。

最終段のLimiter=Maximizer

ブリックウォール型のリミッターで0dBに音を張り付かせて入力を上げていくと相対的に音量の小さな部分が持ち上げられて音圧が上がります。
さらに聴感上敏感なところを意図的に持ち上げることで(サウンドキャラクターが若干変わる)ラウドネス感を増やすタイプも有ります。
いわゆる「音圧を稼ぐ」必殺兵器ですが、それまでの仕込みが大事なのは言うまでもありません。

業界標準のマキシマイザー。
マルチバンドコンプレッサーも組み込まれている

確認用のMultiMeter