ループ音源の波形編集とサンプル化、エフェクターの概要 | 特定非営利活動法人ミュージックプランツ | 音楽制作・作曲・DTMを支援する会 Skip to content
Logic Proとサウンドの基礎 一覧に戻る
2021年3月 29日

8:Apple Loopsの活用


Apple Loopsを活用する

LogicProは購入インストールと共に約25000以上もののAppleLoopsが付属で付きます。
ありとあらゆるジャンルにてループ素材が揃っておりこれ以上の追加Loopはまず必要ありません。
また、オーディオループのみならず、ソフトウェア音源対応のMIDIループも多数入っており、フレージングの研究、練習にも使えます。
Logic Pro Xの無償バージョンアップと共に増え続けるApple Loopsは時代の最先端サウンドに完全追従しています。

AppleLoopsを単なる貼り付けのみの使用法に終わらず、元ループからの効果的な加工、変形やEXS24へのサンプラートラック変換による素材ライブラリーへの転用法を見ていきましょう。

Apple Loopsの概要

ループブラウザ(「O」ボタンで開く)にキーワード別、音源別でインデックスされています。
膨大なループから目的のループを探し出せるようになるためには、これらのキーワードだけでなく「ファイルネームの共有キーワード」を覚えておくと便利です。

ファイルネームの共有キーワード参考例

boomer ambient diving space
house topper vox buzz

キーワード別のループブラウザ

キーワード別のループブラウザ

音源別のループブラウザ

音源別のループブラウザ

AppleLoopsの編集

リージョンインスペクタで行います。

原型での可能な編集

  • ループ指定
  • ディレイ
  • フェードイン・アウト

AppleLoopsで「拍」の設定がある場合

  • トランスポーズ指定(ピッチ変更)
  • 速度指定

Logic Loop 拍設定があるループのピッチ・キーとテンポの変更

注)拍設定のないLoopでのピッチ変更
エフェクターの「Pitch Shifter」を使うか、後述の「サンプラートラックに変換」を用います。

コピーが必要な編集

任意のタイムストレッチ(←option+ドラッグ)

Logic Pro X wav素材のタイミング補正時の注意画面

コピーして非圧縮ファイル(aiffやwav)に変更が必要

AppleLoopsの波形編集

基本AppleLoopsは波形編集不可の状態(多くは圧縮ファイル形式のcaf)になっています。
波形編集を行う場合は「非圧縮ファイル」形式(aiff,wav)へのコピー変換をする必要があります。

Apple Loopsのアイコン

非圧縮ファイルの波形編集メニュー

圧縮ファイルの波形編集メニュー

圧縮ファイルを波形編集するときには「ファイルをコピー/変換」で非圧縮ファイルに変換します。

ファイルをコピー/変換

EXS24サンプラートラックへの変換による効果と素材ライブラリーへ転用

ドラムループなどを「サンプラートラックに変換」すると、ループ中の各素材音が切り刻まれてEXS24に流し込まれます。

サンプラーEXS24に各素材音が流し込まれる→ループとは違う新たなリズム・パターンを作成できます。

Logic Pro X Sampler 音源のMIDI化

イコライザー(EQ)系エフェクト

サウンドの音質補正には欠かせないツールです。
カットオフタイプ、シェルビングタイプ、パラメトリックタイプ、グラフィックタイプ等の様々な形式があります。
2022年現在のDAWに搭載されるEQは以上のタイプを組み合わせたものが主流となっています。

EQタイプ

Channel EQ

Channel-EQ

EQポイント

EQの操作は各サウンドの特徴にそれぞれ左右されるので「これ!」といった定石はありません。
コツとしては「不必要な部分を削る」作業をメインとすることです。
特に低域帯においてはリズム隊の各パートがケンカしやすいところなので「パートのすみ分け」のために重なる帯域を削る事がとても重要になってきます。

リズム隊EQ実践
サウンドメイクの最も重要なポイントは「リズム隊」をいかに効果的に効率よくミックスするかにかかっているといっても過言ではありません。
リズム隊の中核「Kick」「SD」「Bass」は音のメイン周波数が低域に集中しており、それらをすみ分けさせて音が不必要に競合させないことがポイントになります。
また、EQ→コンプ、コンプ→EQのエフェクト順も決まってはいません。
状況に応じて使い分けます。

リズム隊のEQイメージ

リズム隊のEQイメージ

歪み系(Distortion)エフェクト②

Bit Crusher(デジタルディストーション)

デジタルオーディオの特性を逆手に取ったディストーションです。
デジタルオーディオは音量許容量がMax 0dBで、これを少しでも超えるとクリッピングノイズが発生します。
この特性を逆手にとった歪のサウンドを生成します。
過大入力時の挙動処理によって音色が変化します。

ビットクラッシャーの特徴

Bit Crusherの場合は音を歪ませる目的だけでなく、サンプリング周波数とビット深度を低くして音の解像度を下げて音を「粗く」する目的でも使われます。
特に低サンプリング周波数にすると、ナイキスト周波数上限付近の音が聴感上目立つので少し金属的なざらつきが付くように聴こえます。

ビットクラッシャーのDownsamplingとは

【Tips】FilterのResonance+Distortion
シンセサイザーの定番サウンドで、フィルターのレゾナンスを十分に効かせたシンセベースやシーケンス音(SQ音)にディストーション系エフェクトを通すと、独特のサウンドとなります。
Roland TB-303にオーバードライブを通したサウンドはアシッドテクノでもてはやされ、その後のサイケデリックトランスで昇華されることとなります。

【Tips】Exciter

Exciter

埋もれた音を全面に出す、輪郭をはっきりとさせるなど、イコライザーの高周波を持ち上げただけのサウンドとは一味違う効果をもたらすエフェクターを「エキサイター」「エンハンサー」などと呼びます。
これはサウンドの高周波部分にだけディストーション効果をかけて新たな倍音を付加するものです。
ボーカルやギターなどのトラックに劇的な効果をもたらしますが使いすぎには注意が必要です。


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