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Logic Proとサウンドの基礎 一覧に戻る
2021年3月 29日

10:デジタルシンセサイザー・物理モデル音源


その他のデジタル音源方式

音の素材がオーディオファイルであるサンプラー、音源理論はアナログシンセサイザー時代にありながらもパラメーター制御にデジタル技術を必要としたFM方式。
現在使われているサウンドのほとんどはこれらの方式に拠るものですが他の音源方式のシンセサイザーを説明します。
特に物理モデル音源(モデリング)はソフトシンセ、ハードシンセ共にかなりシェアを伸ばしてきています。

物理モデル音源

実際のアコースティク楽器や、アナログシンセサイザーを純粋数学の演算にてプログラム上で再現を試みた音源方式。
現在のハードシンセサイザーでアナログシンセを模倣したものがよく見られます。
また、アコースティク楽器においても管楽器系や打楽器系のものはかなりの再現性を誇る水準まで技術が向上してきています。

また、エフェクターにおいても現在では入手が困難なヴィンテージ機器のシミュレーションエフェクト、特にコンプレッサーやアンプ、アナログミキサーのチャンネルストリップなどでモデリングによる復刻版プラグインが多く出ています。

しかしながら、特にアナログシンセサイザーのモデリングではディスクリート回路の微妙な揺らぎによるニュアンスは完全に再現できるまでには至らず、完全なアナログ方式のハードシンセをこだわって使うミュージシャンも多く見られています。
モデリングによる完全再現には現在のコンピューター処理能力ではまだまだ非力との意見が見られています。

物理モデル音源の利点

ヴィンテージの電気楽器、とくにエレピの再現性は相当に高く、海外の著名なミュージシャンの多くがメンテナンスの不便な実機からモデリング音源に乗り換えています。
よく比較されるのがサンプル方式のエレピとの違いです。

たとえば長い弦を指で弾いて音を出します。
音が消え入らないうちにもう一度弾いて音を鳴らすと、静止した状態で弾いたのとは微妙に違う有機的な音の変化があります。
モデリング音源ではこの有機的変化さえも再現できます。
サンプル音源ではオーディオファイルの読み出しだけなので何度弾いても全く同じ音しか鳴りません。

汎用性モデリング音源

通常は予め楽器を指定した「専用物理モデル音源」ですが、音を鳴らす材質、環境、鳴らし方などを指定できる「汎用型」の物理モデル音源です。
製品になっているものはあまりなくLogicPro標準搭載の「Sculpture」は極めて珍しいシンセサイザーです。

Wave Table音源

元祖はPPG2.2、そしてマニアックなシンセサイザーとして一部の熱狂的ファンをもつKORGのWaveStationが有名です。
様々なメモリー波形(アナログから複雑なデジタル波形まで)を時間軸上に並べて次々に読みだしていくことで通常では得られない複雑で奇妙な変化サウンドをもたらします。
リズムに合わせて鳴らすことで独特の波形グルーブが生み出されます。
シンセマニアの間では「病気の音」というイメージが持たれています。
LogicProではES2とRetroSynthでWaveTable合成を行うことができます。

コンプ&EQ実践②

前回では主にリズム隊のBody音が集中する「低域」のすみ分けについて説明しました。
サウンドに大きな影響のある帯域として「中域」があります。
1.5Kから5Kはビートのアタックにあたる「打撃音」が集中し、特に2K~4Kは人間の耳が一番敏感に感じ取るポイントです。
これらの情報が「音圧」にとても関与します。
しかし、あまり多く鳴らしすぎると耳障りになり単に「うるさい」サウンドともなるので注意が必要です。

コード楽器をまとめる

エレピやギターなど、コード楽器は発音数がプレイングによって様々に変化するのでやや薄めでトータル気味にかけるとトラックがまとまりやすくなります。
この時、エレピなどはベースの帯域とかぶることがありますのでEQで低域を絞っておきます。

EQポイント

  • 200Hz以下をシェルビングで削る
  • 2Kのアタックポイントをやや目立つように

コンプ

  • レシオ 1:2~1:3ほど
  • スレッショルド やや浅めに
  • アタック 80~120ms
  • リリース 30~50msの短めに

マルチバンドコンプレッサー

周波数帯域別に区切ってコンプレッサーをかけられるタイプのものです。
特に激しく変化する低域や、音が尖りすぎてうるさく聞こえる中高域を均すのに絶大な効果があります。

また、最後のマスタリング時にEQスペクトラムを均質化させることにより音圧を稼がせるのにも定番で使用されます。

非常に汎用性が高くドラムサウンドの押し出しに、ベースなどの音が暴れやすいパートに、パーカスなど種々の打楽器のまとめミックス(ステム)に、ボーカルなどにも使われます。
あまり多用し過ぎると平坦になりすぎてアタックポイントが失われたりダイナミクスが一様になりすぎてサウンドの迫力を損なうことにも繋がります。
これだけは経験で修練を積むしかありません。


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