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音楽一般入門(楽器とアンサンブル) 一覧に戻る

2021年3月 26日

5:エレクトロニックサウンド・リズムマシン


バンド~エレクトロニックサウンド

エレクトロニック・サウンドについて

バンドアンサンブル系とは違い、エレクトロニック・サウンドの特徴は「電子楽器」によってサウンドが構築されている点です。
電子楽器は端的に言えば「シンセサイザー・サンプラー」です。
エレクトロニック・サウンドの大きな特徴になっているドラムマシンも「シンセサイザー・サンプラー」から作られています。
エレクトロニック・サウンドは1940年代後半、現代音楽から端を発したミュージック・コンクレートにその源流を求めることができます。
その後、シンセサイザーの発明、発達からダンスミュージックへ流用され、2017年現在にては一大勢力となっている「テクノ」カテゴリーにて様々なジャンルに微細化されながら、流動的に勃興を繰り返し発展を続けています。

エレクトロニック・サウンドのジャンル分けの特徴

時代とともにジャンルの微細化が顕著になり、また、統合を繰り返すエレクトロニック・サウンドですが、その特徴は「リズム隊」とくに「ドラムサウンド」に集約されています。
サウンドに使われているドラムサウンドにて時代、ジャンルを大まかに識別することができます。
具体的には「ドラムサウンドのスケールの大きさ」が識別のカギとなります。

ドラムサウンド/ドラムマシンの知識

エレクトロニック・サウンドの歴史とジャンルの発展にはドラムマシンの存在が不可欠となっていました。
現在でもよく用いられている定番のドラムマシンサウンドを押さえておきましょう。

リズムマシンの歴史

1970年代末からシンセサイザー・ミュージックの一般への浸透には「ビート」との関連要素が強くありました。
特に、リズムマシンの開発とともにあったと言っても過言ではありません。
当時のリズムマシンの音色は今でも継承されているものが多くあります。
特徴的なリズムマシンサウンドを機種別に知っておくことはエレクトロニック・ミュージックの理解にとても重要です。

アナログシンセ音源のリズムマシン

Roland CR-78:1977
自分でパターンをプログラムできた最初期のリズムマシン。
それまではプリセットパターンのみだった。
音は電子オルガン付属のリズムマシーンみたいなチープ音。
現在ではそのチープさが逆に受けている。

Roland CR-78

Roland TR-808:1980
Techno HipHop Funk UKNewWaves など、多大な音楽シーンに影響を与えた偉大なリズムマシーン、通称”ヤオヤ” 1曲分の全ドラムパターンをプログラムできた。
音はかろうじて「ドラムの代わりに成り得るぎりぎりの音」EQやコンプでフルブーストして時代を生き抜いている。

Roland TR-808

Roland TR-606 & TB-303:1982
”ヤオヤ”は15万円と高かったので、コンシューマーユースへのエントリーモデルとしてTR-606が発売された。
同時にベースライン特化型シーケンスシンセTB-303もセットで売られていたが、当時はPCMサンプリングへの強いあこがれから「安物チープの貧乏機材」というとても悲惨なイメージがついて回り(音も確かに安っぽい、けど今はカッコイイ)あまり売れなかったが、1990年台のアシッドハウス&テクノの衝撃的インパクトによりTB-303が一躍華形ヴィンテージシンセとしてスターダムにのし上がる。
しかしTR-606はそれにはくっついていけなかった(評価されたのはヤオヤと909)

Roland TR-606
Roland TB-303

PCMサンプリング音源のリズムマシン

生音を取り込めるサンプリング技術は1970年代後期に開発され、実用的な「楽器」として1980年「フェアライトCMI」1981年「Emulator I」が発売され始めました。
しかし、あまりにも超高価だったため、極一部のミュージシャンしか所有できないものでした。
当時はまだメモリーが高価で希少だったため、長い秒数のサンプリングには限界がありました。
また技術的に低ビットレートだったので、繊細なサウンドのサンプリングにもまだまだ不向きでした。
そこで、サンプリング秒数が短くすみ、低ビットレートでもあまり問題にならないドラムサウンドのリズムマシンへの応用が進みました。

LINN LM-1:1980
世界初のオールサンプリング音源のリズムマシン。
初めて、人間のドラマーと「対等」となり得た機種である。
生ドラムの音がリズムマシン化したことは、当時のドラマーの職を奪いかねないと大きな話題になった。
(ある意味では確かにその通りになった)出た当初は、人が叩けないパターンばっかりの奇天烈さを試みる曲も多かったが、LM-1がドラマーの立派な代替者となり得ることが広まると、ユーロ・イギリスニューウェーブ系のバンド、ミュージシャンなどはメンバーにドラマーがいながらもレコーディングはLM-1で行うことなどが多かった。
8bit28kHzサンプリングながら、そのロービットゆえの図太いサウンドは大きな支持を得た。

LINN LM-1

Roland TR-909:1983
世界で最も偉大だと言われるリズムマシン。
しかしその誕生時は悲惨なものだった。
世界的にサンプリング音源のドラムマシンが登場し始めた1983年にRolandから満を持して登場したTR-808の後継機。
しかしながら音源はハットやシンバルなどの金物系だけがデジタルサンプリングで、その他のバスドラ・スネア・タム・クラップなどはすべてアナログシンセ音源だった。
当時、サウンドのデジタル化への圧倒的なトレンドの中で「今更アナログ音源?しかも重要なバスドラとスネアに?」といった、完全な時代錯誤な設計はミュージシャンを始め、誰も見向きしないジャンク品同然となった。
しばらくその存在自体が完全に忘れ去られてたが、1980年代末期、そのジャンク品特有なサウンドを再活用したデトロイトテクノやシカゴハウスなどが流行すると、一気に超希少ビンテージマシンとして世界中のクリエターからTB-303と共に注目を集めることになる。
現在でも、909サウンドはテクノの定番サウンドとして、またエフェクト処理の工夫で流行のサウンドとして、確固たる地位を保ち続けている。

Roland TR-909

エレクトロニック・サウンドとドラムサウンド

エレクトロニックサウンド一覧

バンド系アンサンブルとの共存への考え方

バンド系とエレクトロ系のサウンドの融合はとても難しいことは第2回目で述べました。
しかしながら数少ない例ながらも、融合がうまく行く場合もあります。
その考え方を考察してみます。

バンド系・エレクトロ系の「歪み」と「サウンドスケール」をあわせる
例えばチップチューンを基本としたサウンドにHeavy系サウンドは合いません。
しかし、歪みの少ないアコースティックピアノ/ギターならば共存させることができます。

バンド系かエレクトロ系かの比重をどちらかに寄せる
バンド系かエレクトロ系か、どちらかに明確な「比重」を寄せた上でエッセンス的に違うサウンドを取り込むのが成功させる秘訣です。
これは「演奏」を人力によるものにしたいならばバンド系、自動演奏を主体としたいならばエレクトロ系に寄せると良いです。


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