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サウンド/トラックメイキング Mix/Mastering【初級】 一覧に戻る

2021年3月 29日

1:Mix/Masteringの概要


近年、DAWの発達により、本来は専門職であるエンジニア領域の作業であった「ミックス」から「TD=トラックダウン」そして「マスタリング」までもクリエーターが行うことが一般化してきています。
時代の流れとともにサウンドが変化しているということは、「ミックス~マスタリング」まで一連の作業も適時変化しているということです。
シンセサイザー・エフェクターの項と同じく、大まかな基礎はあれども絶対的な定式はほぼ存在しません。
「聴きやすいサウンド」「バランスの取れたミックス」と言われることの多いミックス作業ですが、ここでも「人の心を惹き付けるサウンド」を目指すことが大前提であり、それが目標です。
そのためには、ずっと定番と言われ続けていた技法や手段を常に再考して作業に臨む心構えが必要です。
空間・音量処理や周波数帯域の配置などを操作する機材の種類は数に限りがあります。
まずは、それらの基本的機材の使用法と、サウンド種別での操作法の違いなどの基礎的な技法を習得していきます。
そしてその先に次世代のサウンドをアイディア次第で新たに作り上げられる可能性が十分にあることを実感してもらいたいと願います。

ジャンルの種別によるサウンドの捉え方

アコースティックサウンドとエレクトロニック・サウンドでは、周波数帯域の特性や、パート別の音量バランスなどが全く異なります。
これらのジャンル別のサウンドキャラクターをイメージしてみます。

大まかな捉え方ですが、ミックスには「最も聴かせたいパート/サウンドは何か」という問いかけが常に必要です。
「主軸のパート/サウンドを周りのパート/サウンドが支える」この「支え」をどのように捉えるかによって、ジャンル別のサウンド構築が変わってきます。
そして、全ジャンルにて言えることは「サウンドの基礎として、支えの最重要要素はリズム隊」ということです。
そもそものパート収録、打ち込み時においてリズム隊が貧弱な場合はミックスにおいて非常に苦労することになります。

Mixへの礎となるパートトラックメイキング

「モジュレーション系」「歪み系」などのエフェクトは、打ち込み、パート収録時において、サウンドキャラクターに含まれるものです。
一方、「EQ系」「ダイナミクス系(コンプレッサー等)」「空間系」はミックス時に他パートとのバランスを取るために使われるエフェクターです。
特に、EQとコンプレッサーはミックスバランスを取るために頻繁に使われるエフェクターで、アマチュアとプロとのサウンド差にもっとも深く関わるアイテムです。

イコライザー(EQ)系エフェクト

Channel EQ

EQの操作は各サウンドの特徴にそれぞれ左右されるので「これ!」といった定石はありません。
コツとしては「不必要な部分を削る」作業をメインとすることです。
特に低域帯においてはリズム隊の各パートがケンカしやすいところなので「パートのすみ分け」のために重なる帯域を削る事がとても重要になってきます。

ダイナミクス系エフェクト

主に音量を調整するエフェクターです。
最もよく使われるのがコンプレッサーです。
ダイナミクス系はその効果がはっきりとはわからず、またその使い方や実践技法の情報がなかなか手に入りづらく修得が難しくなっています。
ミックスにおいて、より効果的に各パートの存在感を高めるために、またバランス良くミックスをするためにパートごとに適度にコンプレッションを掛けるのが通例となっています。
EQと合わせてダイナミクス系のエフェクトを自在に操ることがプロフェッショナルサウンドへの近道になります。

Compressor
ハイハット一個の音からミックス時までほぼすべての音で使用するエフェクター。
音を「まとめる」「タイトにする」「目立たせる」「なじませる」「エッジを効かせる」「ソフトにする」など多種多様な使用法があります。
「音量変化」だけでなく「音質変化」のためにも使い、ヴィンテージ回路エミュレーションでの「サウンドキャクター変化」を再現することも可能です。

Mix→TDへのイメージ

まずはマスタリング前に「TD=トラックダウン」を行い、2mixファイルを作成します。
この段階では最終音圧は考慮せずに、各トラックの音量バランス、定位と空間配置のバランスをとっていきます。
この時、各パート音での基本的EQとコンプレッサーをかける役割をイメージしてみます。

コンプレッサーとEQでパートトラックをコンポーネント化

EQはサウンドの余計な周波数成分を削り、足りない部分をブーストして補います。
コンプレッサーはサウンドのキャラクターを強めたり、サウンドの音量差を少なくすることでミックス時にバランスを取りやすくするなどの役割を担います。
ベースやドラムは、低域が暴れたり、 音量差が激しく変化したりなど、そのサウンド素体では取扱が難しいため、EQとコンプレッサーでサウンド成型を行うことが多々あります。

TD→Mastringへの作業イメージ

最終的なマスターデータを作るTD→Mastering作業は、コンポーネント化したサウンドを綺麗に型枠に積めていくイメージです。
これは、お弁当にご飯とおかずを綺麗に積めていくのと似ているといえるでしょう。