12:メロディ構築のまとめ
前回までの講義にてメロディ構築の技術的要素は全て説明いたしました。
あらためて確認しますがこれらの技法は一旦紡ぎだしたメロディを精査・改良する際の指針となるものです。
技法を駆使し組み合わせたからといってメロディが「0から作られる」ものでは決してありません。
これらは「生み出す」きっかけくらいにしかならないものです。
メロディは絶対に生み出さなくてはなりません。
何十年も前から自動作曲ソフトの研究において「歌心をもったメロディの自動生成」が今になってもまったく実現されていないことを考えても「人が歌って作る」メロディと言うのはとても大切で重要なものなのです。
しかし、人の創造力は不安定なもので、1コーラス全てを一筆書きのように「0から生み出せる」ような時もあれば、1小節も出てこない時もあります。
全く出てこない状態が長く続き完全なスランプに陥って抜けだせずに廃業してしまったミュージシャンも数多くいます。
その中で、何十年も安定して楽曲を生み出し続ける職業作曲家もいます。
これらは決して「メロディを生み出す」能力に差があったわけではありません。
「メロディを生み出す」きっかけを知っていたか否かだけの問題です。
そのきっかけの全てをみなさんにはこれまで説明してきました。
どうかこのメロディ構築術・作曲技法を有効活用して、やりがいのある作曲・音楽人生を長く楽しまれることを願っています。
メロディ構築リズムアプローチまとめ
メロディの基本構造モデル
- αーαʼーβーγ
- αーαʼーαʼʼーγ
- αーβーαʼーγ
これらは区切る長さで見え方がそれぞれ変わることがある。
メロディの音符的考察まとめ
*ペンタトニックメロディは絶対に裏切らない!
特に:Cでの「D」「E」「G」「A」(II III V VI)はDiatonic 7th chordにおいて「アボイド無し!」
3つのメロディ形
- メロディックメロディ
- ハーモニックメロディ 優位性、勝負できるメロディ
- リズミックメロディ いざというときの救い、歌詞を想定
導音(VIIの音=B)のハーモニック処理
特にIIIm7とV7系の時にはB音が必要になることが多い。
その他ではテンションを絡める。
メロディのインターバル解析(重要)
メロディの絶対的価値基準になりえる唯一のアイテム
Rメロはダサい!!!
3rdー7thメロ・・・メロの標準型
5th中心・・・テンションが絡みやすいアッパー形
テンションリゾルブの効果的使用!
メジャーコード系は「13-5」リゾルブ
マイナーコード系は9th、11thテンションを絡める
パラレルメロディとアンチパラレルメロディ
楽曲の構造解析
- コーラス毎のセクション変化を確認する
- セクションでのメロディック・ハーモニック・リズミックのバランス
- ここでも「適度な繰り返しと適度な変化のバランス」は大切
- そして適度な「裏切り」
- 聴く人の心理的操作を!
発展的メロディ構築術・作曲技法
メロディの解決
センタートーンとアプローチトーン
禁忌だった「IVの音=F」はアプローチトーンとしてならば問題ない。
クロマチックトーンの効果的使用法
ブルーノート・・・III♭(最強) V♭(発展) VII♭(弱い)
クラッシック系・・・I# V#(マイナー感覚をもたらす音)
システマティックメロディ
モチーフの幾何学的変化によるメロディ構築
ポリリズムメロディ
サビの必殺技!!
4拍子楽曲に3拍子要素(その他5拍子、7拍子等あり)
同じメロディを転調させてサビにする
最終奥義
ある意味禁じ手