6:マイク、プリアンプの種類・Logicのメイン画面
レコーディングマイクについて
ボーカルやギターの録音で使われるマイクについて説明します。
種々のマイクには様々な規格、用途別の種類がありますが、レコーディングマイクは「ダイナミックマイク」と「コンデンサーマイク」に大きく分けられます。
【注意】
マイクの購入だけは必ず「音楽用途品」を選んでください。
一般家電量販店等で売られているAV用途等の有名国内メーカー品のマイクは、レコーディング用途には不向きです。
ダイナミックマイク
主にライブでのボーカル、ギターアンプ、ベースアンプ、ドラムなどに使われます。
頑丈で大音量入力に耐えます。
中低域にコシのある音色が特徴です。
電源不要。
SM58
ライブ用のヴォーカルマイクだけでなく、スタジオレコーディング用途としても用いているミュージシャンがいる。
SM57
先端の形状が違うだけで中身はSM58と一緒。
勿論、ヴォーカルマイクにも使える。
CM5
完全なるゴッパーの中華コピー品だが、値段からは考えられないCP。
簡単な改造を施すことでほぼSM58と遜色ない高クオリティ品へと変貌する。
コンデンサーマイク
レコーディングスタジオのヴォーカル用マイクとして広く使われています。
ダイナミックマイクに比べて高音域の情報が豊富で繊細な音質が特徴。
構造的にデリケートな物が多く、ライブ用途にはあまり使われません。
電源(ファンタム電源と呼ばれる)供給が必要。
また外部からのショックに弱いのでショックマウントを取り付けて使用するのが一般的です。
U87Ai
非常にシルキーで濃密ながら伸びのある高域が特徴。
世界の憧れノイマン製。
NT1-A
ポストU87Aiを目指して作られた圧倒的なCPを誇るベストセラー品。
コンデンサーマイクが欲しいとなったらまずはこれを検討。
【ファンタム電源】
コンデンサーマイクを駆動させるのにマイクケーブルを通して供給される。
供給元はオーディオインターフェース、ミキサー、マイクプリアンプなど、コンデンサーマイクの使用を想定してある機器には供給機能が備わっている。
ダイナミックマイク使用時には供給を切ること!
【Tips】
よくアナウンサーなどが襟につけて用いる小さなピンマイクや、ヘッドセットに使われるものもコンデンサーマイクです。
根本的に上記のマイクがラージダイヤフラムマイクと呼ばれるものに対し、これらはECMマイク(エレクトレットコンデンサーマイク)またはスモールダイヤフラムマイクと呼ばれます。
近年、ECMマイクの音質が見直され、レコーディングマイクにもECMマイク方式のものが増えてきました。
値段が安いのが特徴ですが、音質は決して引けを取りません。
また、MacBookやiPhoneなどに内蔵されている超小型のマイクをMEMSマイクと言います。
これも年々品質が向上してきて、ヴォーカル用途にも使えるものが出てきています。
近い将来には小指の先程のマイクがレコーディングマイクの主流になるかもしれません。
【重要】
マイクに関して、特にヴォーカル用途のマイクは、自分の声質とのマッチングが再重要です。
口コミ・レビュー等の情報に惑わされず、テストできる楽器店で十分に「自分で吟味」して選ぶことをお薦めします。
プリ・アンプ
マイクから発せられる音量レベルは低く、そのままでは録音に適しません。
マイク音質の特性を最大限に活かし、録音に適したレベルまでに上げるものをプリ・アンプと言います。
マイクの音質に非常に影響のある部分で「マイク品質+プリ・アンプ品質=レコーディング音質」となります。
特にディスクリート回路や真空管アンプによる単体のマイク・プリアンプはコンデンサーマイクに用いることで繊細ながら温かみのある音色となり、世界中のプロスタジオレコーディングの定番な組み合わせとなります。
オーディオインターフェースやミキサーに内蔵されているもの
直接マイクの接続できる機器には「必ず」プリ・アンプが内蔵されています。
主に「Gain(ゲイン)」というツマミでマイク録音レベルを調節します。
音質の高さは概ね値段に比例します。
ミキサー機能付きオーディオインターフェース BEHRINGER XENYX 302USB
オーディオインターフェース Mackie/ONYX BlackJack
単体ミキサー/Soundcraft S200
オーディオインターフェース機能付属ミキサー Mackie/ONYX 1220
単体のマイク・プリアンプ
オーディオインターフェースやレコーディングミキサーへの前段階でマイクに繋ぐ単体のマイク・プリアンプです。
単純にアンプで音を増幅するものから、コンプレッサーなどのエフェクト機能を内蔵したボーカルプロセッサータイプまで、またアンプ回路も真空管、ソリッドステート、オペアンプなど様々です。
プロスタジオには種々のマイクとのセッティング用に多くのプリ・アンプが備えられています。
プロスタジオの高クオリティ音質は、超高級機種のマイク・プリアンプや、ミキサーによって支えられていると言って過言ではありません。
TUBE-TECH MEC1A
ART TUBE MP V3
LogicPro メインウインドウ概要
LogicProの基本的な構造を説明します。
メインウインドウにて概ねの操作ができるように、必要なメニュー画面が集約されています。
トラック領域
打ち込み・録音データが表されています。
データは「リージョン」という格納庫に収められます。
全データはもちろん、データの一部だけを有効表示して使うことができます。
インスペクタ
主にトラックとリージョンの情報が集約されます
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クイックヘルプ・・・簡易型ヘルプ
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リージョンインスペクタ・・・選択されているリージョンの設定情報トラックパラメーター・・・トラックの基本情報
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チャンネルストリップ・・・トラックの音源、エフェクター、Bus、ボリュームフェーダ
分割ウインドウ
様々な編集ウインドウ(ピアノロール、オーディオエディタ、ステップエディタ、スコアエディタなど)を必要に応じて開けます。
(画面ではSmart controlが開かれています)
ブラウザ
ブラウザの他にリストエディタ、ノートパッド、ループブラウザ(画面上)が開けます。
コントロールバー
中央のLCD、さまざまな部分へのアクセスボタンや、再生録音等を制御するトランスポートコントロール、プロジェクト全体音量「マスター音量」スライダなどのコントロールが含まれています。
トラックの追加
通常の打ち込みには「ソフトウェア音源」トラックを使います。
ドラム打ち込みに特化した「Drummer」トラックがあります。
ボーカル録音やループ素材、オーディオを取り込むときには「オーディオ」トラックを使います。
その他のトラックタイプ
外部MIDIトラック・・・外部の音源・シンセサイザーなどをコントロールする。
ギターまたはベース・・・ギター・ベース用のエフェクトキットがプリセットで選ばれる。
トラック領域で扱う「リージョン」
LogicProのデータは「リージョン」という格納庫におさめられて操作します。
一部データにリージョンを切断、リージョンをコピー、リージョンをループ、複数リージョンを結合(マージ)など、多種多彩な編集ができます。
トラック領域
トラック領域ではリージョン操作での編集を行います。
トラック領域、ピアノロールエディタなど各ウインドウでは編集で使うツールを選択するツールボックスがあります。
この画面では「右クリックボタンをツールに割り当てる」を有効にしているためツールボックスが3つになっています。
(デフォルトは2つ)
リージョン編集・操作
リージョンの切断
リージョンのコピー
リージョンのループ