失われた“本物の耳”を取り戻す方法【理事長コラム】 | 特定非営利活動法人ミュージックプランツ | 音楽制作・作曲・DTMを支援する会 Skip to content
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2025年8月 14日

失われた“本物の耳”を取り戻す方法【理事長コラム】



世代間で広がる“耳の性能”のギャップ

音楽を教えていると、世代間にて耳の性能に差があることがわかった。あくまでも平均だが、バブル世代をラストに、それよりも上の年代は耳の性能が良い。そして若くなるとどんどん性能が劣化する。

分岐点:音楽のポータブル化がもたらした変化

このバブル世代に何があったかというと音楽のポータブル化だ。私がまさしくバブル世代だが、この実現については鮮明に覚えている。

音楽を聴き始めた幼少期(1970年代初頭)は、好きな曲を、いつでも聴けるわけじゃなかった。ステレオ機器はまだまだ高く、レコード自体も庶民には高価な代物だった。つまり、音楽そのものが贅沢だったのだ。

テレビやラジオでたまたま流れた音楽に、耳をそば立てる。一度きりかもしれないその瞬間に、全力で聴き取ろうとする。

耳コピという鍛錬が当たり前だった時代

耳コピも簡単なことではなかった。ループもできないレコードや、巻き戻し自体面倒くさいカセットに、何度も耳を凝らして、ほんの一小節を覚えるのに何十分もかけることもあった。

そんな風に、楽譜を使わずに音楽を聴き取る行為(耳コピ)は尋常ではない難易度があった。でも、それが当たり前だったし、その“当たり前”の中で耳を育ててきた。

ウォークマン以後に失われた真剣さ

それが、ウォークマンの登場で状況が一変した。音楽の携帯化はいつでもどこでも楽しめる利便性をもたらした。

だが、そのせいで「いつこの曲が再び聴けるか保証されない」危機感がなくなり、「音を最大限聞き漏らさずに聴く」真剣さが失われていったのだ。

ポイント:便利さは基本性能を奪う。だからこそ「意識して聴く」姿勢の再構築が鍵。

耳性能低下の具体的な症状

  • リズムに対するGrid/Resolutionが粗い
  • 基本的メジャースケール感覚が薄い
  • アボイドへの反応が鈍い
  • クラッシュにも無感覚

これは、一般人だけでなく、音楽を志す人にも共通している。

DTM時代の落とし穴:サウンド偏重と“音符エリア”の欠落

今の時代、DAW/DTMにて、ツールを一通り揃えて基礎的How toを学べば、音楽教育を受けなくてもなんとなく楽曲が制作できてしまう。

これはサウンド(音色)偏重が顕著になっていることも加わっているが、音符エリアに精通しているクリエーターは本当に少ない。

音楽の三要素:リズム/音符/サウンド

  1. リズム:音楽の前提となる基盤
  2. 音符エリアのシステム
  3. サウンドエリア

利便性の発展で3.サウンドエリアへの感度は上がった。しかし、その代償として1.リズム、2.音符エリアの感度は削がれてしまった。

取り戻す唯一の方法:真剣に聴くことを繰り返す

  • ながら聴きをやめ、聴く時間を区切る
  • 一曲を繰り返し、リズム/メロディ/コードを個別に意識して聴く
  • 頭の中で再生する(口ずさむ・リズムを刻む)

学び方の構造で耳は変わる:MUSIC PLANZの提案

音楽は、何歳からでも学べる。ただし、それは“学校で習う音楽”とはまったく違うアプローチです。

MUSIC PLANZでは、音感やセンスよりも「学び方の構造」を重視しています。実績が出ているこの学び方は、何より「音楽を続けたい」人に必要な基礎です。

本気で音楽に向き合いたい方へ。
DTMや作曲の基礎は一通りやった。けれど、どこかで“壁”を感じている。そんな方にこそ届いてほしい内容です。


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