10:Scale tone motion
Scale tone motion
日本語で言えば「音階的な音の動き」すなわちDiatonic 7th chord上でとなりに移動する進行のことです。
スケールトーンモーション時にはトライトーンをなくすことが必要。
トライトーンを含むV7はIへ、VIIø7はIII7へ進行するエネルギーが強く、その他のコードへ進むと違和感が発生します。
そこでトライトーンを含むⅤ7とⅦø7は変形する必要があります。
また、Ⅲm7も変形して用いられることがあり、変形されたコード群をバリエーションコードと呼びます。
なお分数表記のコードは分母=ルート 分子=和音(コード)を示しています。
トライトーンの処理によるバリエーションコード
【Tips】6コードとsus4コード
6コード
メジャートライアド、もしくはマイナートライアドにM6を足したコード。
構成音でみるとG6=Em7となるが、ルート(Bass)の位置が異なることで、コードそのものが違うということが大事です。
sus4コード
メジャー系コードへ進む時、コードトーンであるM3が来る前に一時的にP4が使われているコードのことをsus4コードと呼びます。
この時のP4をsus4と呼びます。
sus4は日本語で「掛留音」と呼ばれ、前のコードのm7がそのまま引きずられて持ち越された音です。
基本的には本来のM3を持つコード型に解決します。
応用的には単独のコードとして用いてもかっこいいです。
D7CではIsus4とVsus47があります。
なおIsus4△7はトライトーンが作られるので流派によっては認めていません。
sus4を用いると独特の解決が遅れる感覚が発生します。
Vにおいては積極的にsus4サウンドを用いたほうがかっこよくなります。
なお、VIIø7からの絶対進行先であるIII7にもsus4を用いることができます。
→IIIsus47
Scale tone motionを使ったコード進行
スケールトーンモーション下降形
沢山のヒット曲に使われる非常に重要な進行。
この進行はカノン進行(バロック期の代表曲:パッヘルベルのカノン)のベースを変化させたものとも見られる。
カノン進行
下降形のマイナーヴァージョン
コード進行の構築においては循環コードを基礎として、Diatonic dominant motionとScale tone motionを用いて発展させれば、まず違和感のないコード進行になるはずです。
もしもこの手法で違和感が発生するのであれば、「メロディのストーリーとコードが違う」「コードの時間軸上の配置が狂っている」ことが原因に考えられます。