STUDIO EXTREME TOKYO 見学レポート | 特定非営利活動法人ミュージックプランツ | 音楽制作・作曲・DTMを支援する会 Skip to content
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2024年5月 8日

STUDIO EXTREME TOKYO 見学レポート


実施概要

開催日時: 2024年5月1日(水)13:00~15:00
参加メンバー:北田先生はじめ15名
開催場所: STUDIO EXTREME TOKYO (東京都杉並区下高井戸1-15-12)
京王線 下高井戸駅より徒歩5分

STUDIO EXTREME TOKYOとは?

株式会社KORGの傘下で、スタジオ運営を中心に行っている株式会社ジーロックスが先日オープンした、配信・収録等を中心に行えるスタジオ。
https://www.live-extreme.net/set

STUDIO EXTREME TOKYO単体でも高品質な撮影・収録・配信が行えるほか、併設の「G-ROKS Studio」内の様子を撮影・収録し、そのまま配信することが可能となっている。
メインエリアは「Studio」「Control room」「Lounge + Audiovisual room」の3つに分かれており、必要な機能がコンパクトに凝縮されている。

Studio

YouTube生配信からWebセミナー収録、演奏動画の撮影等まで多岐に亘る使用を可能とするSTUDIO EXTREME TOKYO内のメインエリア。

(写真1)簡易な配信用什器がセッティングされている様子。光の当たり方が上品で綺麗に見える。

見学者目線で当スタジオの強みを説明すると、主に以下の3点に集約されると考えられる。
・高音質かつ低遅延な録画・録音
・コンパクトな配信体制による準備時間の短縮化
・音響エンジニア目線で作られた、吸音にこだわった設備

1. 高品質かつ低遅延な録画・録音
後述するDanteシステムの導入により、ノイズをほとんど拾わずに
・高画質(最大8Kまでの録画に対応)
・高音質(~192kHz、32bitの録音まで対応)
・低遅延(スタジオとコントロールルーム間は当然ロスレス)
の収録が可能となっている。

2. コンパクトな配信体制による準備時間の短縮化
上記収録を行うために必要なセッティング時間はわずか3~40分。
見学時には、対談企画の配信という設定で機材をセッティングされていたが、
・カメラ2台
・返しモニター(登壇者が配信されている自身の映像や、プレゼン用資料等を確認するためのモニ
ター)
・ミキサー
上記だけを用意すれば、配信準備が完了している状態になっていた。

(写真2)機材セッティングのリアル。これだけの機材+変換器のみで高音質配信+収録ができるから驚きである。

3. 音響エンジニア目線で作られた、吸音にこだわった設備
音響エンジニアとしての経験が豊富なスタッフが設計に携わり、吸音材として「SHIZUKA Stilness Panel」を導入。
可動式のパネルのみならず、天井にも同パネルを導入し、反射音を徹底的に吸収するような設備になっている。
SHIZUKA Stilness Panelについて:https://www.shizuka-ssp.jp/

Control Room

STUDIO EXTREME TOKYOの心臓部。もう一つのメインエリア。

(写真4)Control Roomのコントロール部分。

細かいこだわりを挙げるときりがないが、ここでは主に以下を強みとして説明する。
・Danteシステム導入によるロスレスでの収録
・ワンオペでの撮影を可能とする配信設備
・高品質な収録を無駄にしない整音環境

1. Danteシステム導入によるロスレスでの収録
Danteシステムについてより詳しく知りたい方は:https://jp.yamaha.com/products/contents/proaudio/docs/dante_system_design_guide/index.html

簡単に説明すると、ネットワーク通信の技術を用いてより高音質の収録を可能にする「オーディオネットワーク」技術のいち規格のこと。Danteは、同規格のうち、インターネット通信分野の標準プロトコル「IP(Internet Protocol)」に準拠している「AoIP(Audio Over IP)」のひとつであるため、LANケーブル1本で高音質かつ低遅延の配信が可能となっている。
上述のStudioとの無遅延収録が可能なのはもちろんのこと、隣接するG-ROKS StudioともLANケーブルで接続されており、無遅延収録が可能となっている。

また、上記利点から、
・生配信における音と映像の同期
・演奏収録用のMIXバランスと配信用のMIXバランスの切り替え
を静音環境で実施できるという点も非常に魅力的な点である。

2. ワンオペでの撮影を可能とする配信設備
配信用の映像を作る設備として、放送業界でも使用されている「Blackmagic Design」社の設備を採用。
さらにStudioに用意されているカメラのひとつに、映画制作でも使用されるSONY「ILME-FR7K」を採用。遠隔操作可能なリモコン「RM-IP500」との連携により、 パン・ティルト・ズームといった撮影操作が可能となっている。
上記設備とスタッフのサポートにより、ワンオペで配信・収録を行える体制が整っている。

Blackmagic Designについて詳しくは:https://www.blackmagicdesign.com/jp

SONY ILME-FR7K:https://www.sony.jp/ls-camera/products/ILME-FR7/
SONY RM-IP500:https://www.sony.jp/remote-camera/products/RM-IP500/

3. 高品質な収録を無駄にしない整音環境
Danteシステムにより拾われた音をミキサーで拾い、それをUSBで接続することでMacに対しノイズなく音声データを送信している。
背面にはこちらもSHIZUKA Stilness Panelを設備しており、音に対するこだわりが完璧に反映されている。
上記をはじめとした、STUDIO EXTREME TOKYOの設備一覧は以下を参照のこと。
https://www.live-extreme.net/set-equip

(写真5)Control Roomの整音環境。ヘッドホンでもスピーカーでも整った音場で、静かに作業可能。

Lounge + AudioVisual room

約15畳(28㎡)のゆったりくつろげる空間。
見学時には荷物を置く場所として使用。
見学会で多くは触れなかったため割愛するが、立体音響作品の視聴といった目的にも使用することが可能。
詳細は以下から。
https://www.live-extreme.net/set-detailより「Lounge」タブ押下

見学会感想 兼 あとがき

とても親切で技術に詳しいスタッフの方3名にご案内いただき、信頼感がすごいと思いながら見学会の時間を過ごしていました。
StudioもControl roomもそうですが、吸音設備からかとことん静かで落ち着いた環境で説明が聞けたため、満足度が非常に高い時間でした。
鉄筋コンクリートベースに作られた建物内部は写真以上に洗練された空間で、静音ということもあり高級感漂う素敵な場所でした。

特別に配信URLをご共有いただき、実際の配信をスマホで眺めていましたが、私の知っているウェビナーの音質ではなかったです。
Danteの凄さを実感した瞬間でした。さらに、その収録・生配信の質からは想像もつかないほど、収録準備及び収録中の動きはコンパクトで無駄がなく、映像制作現場や放送業界の未来を垣間見る思いがしました。
実際に当技術が使用されている配信をぜひ皆様にも体験していただきたい、と強く推薦できるそんな貴重な体験でした。
STUDIO EXTREME TOKYOの皆様、改めてありがとうございました。


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