M1MacでCeVIO AI 『音楽的同位体 可不(KAFU) 』をうごかす | 特定非営利活動法人ミュージックプランツ | 音楽制作・作曲・DTMを支援する会 Skip to content
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2021年10月 25日

M1MacでCeVIO AI 『音楽的同位体 可不(KAFU) 』をうごかす


npo Music Planz理事長の北田です。
AI制御のボカロがかなり面白くなってきました。
その中でも特徴的ボイスが魅力の「可不(KAFU)」を動かそうと調べたら、Windowsのみの対応でした。
私は生粋のMacユーザーですが、このCeVIO AI『音楽的同位体 可不(KAFU) 』はぜひとも使いたいと思い、Mac上仮想OSWindows環境にて動かそうと考えました。

Mac機種

2021 MacBook Air (M1) GPU8コア メモリ16GB ストレージ1TB
CeVIO AI 動作条件は以下の通りです

対応OS: Windows 10 / Windows 8.1 (64bit 日本語版または英語版)
CPU: Intel / AMD デュアルコアプロセッサー以上 ※4コア以上 推奨
※処理性能が低いと再生中に音飛びが発生する場合があります。
(ファイル出力は問題ありません。)
※M1プロセッサーのMacに仮想化ソフトを導入して構築されたARM版Windows 10環境で問題が報告されております。
 仮想化ソフト上の問題については、仮想化ソフトのメーカーにお問い合わせください。

いままでのIntelベースのMacならばBootCampやParallels
Desktop等、仮想OSでWindowsを走らせればよいのですが、ARMアーキテクチャのアップルSoC(M1チッププロセッサー)MacではARM版Windowsが必要です。
そして、上記の通りに動作条件対象とはなっていません。

しかしながら
「※M1プロセッサーのMacに仮想化ソフトを導入して構築されたARM版Windows 10環境で問題が報告されております。
 仮想化ソフト上の問題については、仮想化ソフトのメーカーにお問い合わせください。」
との公式の表現は

「動くには動くよ。問題もあるらしいけど、うちじゃなくて仮想化ソフトのメーカーに問い合わせればなんとかなるかもよ」とも読み取れます。
もしも、完全に使えないならばこの表記にはならないでしょう。

そこで、M1Mac:ARM版Windows 環境でCeVIO AI 『音楽的同位体 可不(KAFU) 』を動かせるかを検証してみました。

  • 注意1:※ 現在入手可能なのは「ARM版Windows11」となっています。この記事は「ARM版Windows10」を使用しています

  • 注意2:この記事ではM1MacとARM版Windows10の環境を推奨するものではありません。あくまでも自己責任にてご利用ください。

以下、動かすまでの流れを記します。

  1. ARM版Windows10を入手する
    ⚠️現在入手不可「ARM版Windows11」のみ入手可となっています。

  2. parallels desktop for Mac 17をインストール

  3. ARM版Windows10をインストール

  4. CeVIO AI 『音楽的同位体 可不(KAFU) 』(スターターキット)のインストール

確認できている問題点を記します。

  • 3-1. ARM版Windows10が日本語未対応、日本語入力不可

  • 4-1. CeVIO AIインストール中の不具合

  • 4-2. CeVIO AIの書き出しと保存の問題

これら問題点については、CeVIO AI 『音楽的同位体 可不(KAFU) 』入手前に情報確認していました。
にもかかわらず購入に踏み切ったのは、私自身、IntelMac環境もあること。
4-2問題(書き出しと保存)が解決しなくとも、仮想オーディオインターフェース経由でのLogicProXダイレクトレックや、QuickTimeでの画面収録によるオーディオ化など、その他の考えられる手段が十分にあったからです。

1. ARM版Windows10の入手について

⚠️現在入手不可「ARM版Windows11」のみ入手可となっています。

ARM版Windowsは「Windows Insider Program」のみにて配布しています。
以下リンクより登録します。

https://insider.windows.com/ja-jp/

windowsの入手

⚠️ ARM版Windows10はparallels desktopインストール中にも入手の指示あり
(→現状では「ARM版Windows11」)

2. parallels desktop for Mac 17の導入について

Macでは多くの仮想OS環境が考えられますが、最も動作が軽く安定していると評判の「parallels desktop」スタンダードエディションを選択しました。

3. ARM版Windows10インストールについて

3-1. 日本語入力ができない

◼️問題点
[理由]日本語キーボードに対応していない
◻️解決策
以下のサイトにて対応策が載っています

https://jittodesign.org/armwindows-2-20097/

日本語環境を追加し、さらにGoogle日本語を追加インストールすることで改善されています。

4. CeVIO AI 『音楽的同位体 可不(KAFU) 』(スターターキット)のインストール

4-1. CeVIO AI with ai可不(スターターキット)のインストール

◼️問題点
インストール後に問題発生となりはじかれる
◻️解決策
→dll情報を書き換える
こちらについては、CeVIO公式に記事があります。

https://cevio.jp/guide/cevio_ai/faq/

CeVIO AIのQA

こちらのマイクロソフト社サポートページから「vc_redist.x64.exe」をダウンロードして実行

exeファイルダウンロード

4-2. ファイルの保存について

◼️問題点
CeVIO ファイルの保存、オーディオの書き出しができない
◻️解決策
保存先をparallels desktop上にあるローカルディスク内のホームエリアに場所を指定する
(ホーム>ミュージック内)

CeVIOデータ保存設定

parallel desktop上でのCeVIO初期保存指定場所ではそもそも保存ができません。
おそらく仮想環境特有のエラーと思われます。
この場所フォルダのエイリアスを作り、Mac上のデスクトップにおいてやれば一発起動ができます。

エイリアスの作成

エイリアスの作成

オーディオの書き出し場所も同じエリアにすることで、書き出しのエラーも解決します。

データ共有設定

追記(2021年12月15日)

windows10版でのCeVIO AI導入に関してまとめられておりますが、コラム本編にも記載の通り、現状Windows10が入手不可となっております。

それに伴いwindows11 for ARMでの導入に関して検証を行いましたので、windows10との差異や、問題が発生した内容に関して以下にまとめます。
※windows11システム導入方法についてはコラム本編のWindows10導入と全く同じため、ここでは割愛させていただきます。

windows11でのCeVIO AI導入時の問題点並びに対処

①CeVIOが起動しない

コラム本編に記載にもありますが、windows11でも同様の問題が起こりました。
これに関してはMicrosoftより必要なランタイム「vc_redist.arm64.exe」を入手・インストールすることで対応可能であり、windows10と対処方法は同じでした。

②CeVIOの保存・書き出し作業時にエラーが発生する

デフォルトの状態では、windows11環境でも同様のことが発生します。
こちらに関しても、コラム本編と同様の対策で回避可能でした。

  1. CeVIO AIのツール>オプションを選択

    CeVIOメニューバー

  2. 右側の「オーディオフォルダ」の参照をクリックし、Documentsフォルダ等のwindowsのフォルダに変更

    CeVIOオプション画面

③「インポートする」・「開く」をすると、システムエラーで落ちる

事象としては、「インポート」や「開く」をメニューから選択するとシステムエラーが発生し、ソフトがダウンする、というものです。
ドラッグ&ドロップも不可能なため、一から手で打たなければいけない状態でした。

対処としては、windows11のビルドを最新のものに入れ替えることで解決しました。
(Windowsのシステム的な問題だったようです)

本記事を閲覧されている方で、もし同じ現象に悩んでいるという方は、windows updateで最新にしてみることをお勧めします。

Windows Updateについて

本来は不具合解消等のためにインストール推奨であるWindows Updateですが、あくまでCeVIO AIで作業が行えるようになれば良いので非推奨です。

手順は以下の通り。
(英語環境で実施しておりますが、日本語でも同様となります)

  1. Windowsキー+R (⌘+R)を押し、下記ウィンドウに「services.msc」と入力し、OKをクリック

    Windows11のファイル名を指定して実行

  2. サービス ウィンドウ のサービス一覧から「Windows Update」を探す

    Windows Update

  3. 右クリック→プロパティを開き、「全般」(General)タブから起動タイプを「無効」(Disabled)にし、OKをクリック

    Windows Update設定

まとめ

基本的に、windows11はwindows10とシステムの根底は同じなのか、windows10と同じ方法で導入することができました。

まだ公開されたばかりのOSであり、初期バージョンでは不具合で正常に使用することが困難でしたが、11/30現在では正常稼働・運用するための環境構築が可能となっております。


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