理事長挨拶
1980年代、私の青春だったその時代は、音楽を「聴く」ことがやっと一般に広まった時代でした。
レコードからカセットテープに録音し、世界初のモバイルカセット再生機「ウォークマン」で、好きな音楽がいつでもどこでも「聴ける」ようにやっとなった時代です。
音楽好きな人間にとって、この頃はせいぜいバンド等でコピー演奏を行うくらいで「自らのオリジナル作曲した楽曲を『デモテープ』等の誰でも聴ける形の音源にする」ことが出来た人間はほんの僅かな一握り以下の方たちでした。
それは
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標準パート4R1L(ドラム、ベース、ギター、キーボード + リードorボーカル)が全て演奏可能、または人材が確保できること。
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楽譜が当然のように書けること、または読譜能力を十分カバーできるだけのコード知識、演奏能力、耳コピー能力があること。
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各音源のレコーディング環境を整えられること。
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プラスアルファで卓越した作曲技術があること。
さらに、これらの作業へ十分に費やせる時間的余裕のあること、そしてトドメは、これらを遂行できるだけの潤沢な資金源があること。
ここまでのハードルを乗り越えられる方たちのみが「作曲・音楽制作」出来たのです。
決して誰もが平等にトライできるという時代ではありませんでした。
特に費用面では上記を一人でこなす設定での環境構築費用は1980年代中旬ではアマチュアレベルでも1000万円は必要でした。
たとえ、バンド等の人数分担をしたとしても、機材面や練習、レッスン費だけでも数百万円のコストがかかるのは当たり前の時代でした。
そして時代は流れ、コンピューター/シンセサイザーの発達にてDTM環境が出現し、ハード機材からソフトウェアへの移行、劇的な低コスト化により、この2019年現在においては、本当の意味で「誰もが作曲・音楽制作にトライできる」時代となりました。
Music Planzが推薦しているApple-Mac/LogicPro環境においては、十分なクオリティでのマスター音源作成が、Mac購入費も含めて20万円以下で環境構築が可能になります。
さらに、驚異的なことに、出来上がった音源のプロモーションも完全に個人主導にてワールドワイドに行うことが可能となりました。
事実、Music Planzは設立から丸3年が経ち、多くの方がMusic Planzを訪れ、そして多くの方に会員として賛同いただき、さらにより多くの方々が作曲を学びたがっていることを実感しています。
これだけ音楽制作のコストが下がっているにも関わらず、音楽教育においては相も変わらず年間数百万円ものの費用を提示している音楽大学・専門学校、そして任意教室がまだまだ多くあります。
1980年代のように、作曲がごく一部の方々への特殊スキルとしていた時代ならば、ほんとうに「専門性」があるのであれば、学問の対価としての金額も頷けますが、これだけ多くの方々が学びを望んでいる現在では、もっと敷居を下げて誰もが学べる金額設定にするべきだと考えます。
そして、作曲音楽制作スキルは決して「特殊スキル」ではなく、スポーツジムや英会話スクールと同等レベルの「だれもが学べる環境」であるはずのものであると確信します。
現在、時代の状況に相反して、重要な作曲スキル、音楽制作技術をしっかりと教えられる学校、団体がとても少なくなってしまっています。
残念なことに、それまで秘術的な側面のあった作曲高等テクニックを正しく継承できている人間がどんどんいなくなってしまっています。
同時に、数百万の授業料でありながらMusic Planz無料テキスト新標準音楽理論の1/3にも満たない内容しか教えられないような、学校とはとても呼べない音楽学校、即席的な作曲法に傾倒し「スキルが必要でなくても作曲音楽制作が出来る」と宣伝する団体、そして大事な著作権等の事を正しく伝えずに「個人の未来を全く考慮していない」パーツの寄せ集め的な作曲法を推奨する団体、さらに音楽制作能力のない経営者の無責任な団体等、現在の音楽教育現場は質の低下、環境の悪化に歯止めが効かなくなっています。
Music Planzは「誰もが学べる環境・低コスト」でありながら、世界最高峰の音楽理論・作曲法・音源製作技術を網羅したMusic Planzアカデミーを提供し、数々のプロモーション講義や情報提供を通じて個人の「人生の音楽を通じた幸福の追求」を援助し、真の意味で「日本の文化発展向上を責任をもって担う」ために「特定非営利活動法人(NPO法人)」にて活動を拡大させていきます。
皆様からの正会員の入会、ご支援ご賛同をこころよりお願い申し上げます。
特定非営利活動法人ミュージックプランツ
理事長 北田陽一郎 (K Masera)