DTMを始めるには③

理事長の北田です。

オーディオインターフェースのお話その2

さて、前回は

「オーディオインターフェースとは」
A/D変換とD/A変換を両方備えているもの

■A/D変換→アナログ信号からデジタルデータに変換すること
■D/A変換→デジタルデータをアナログ信号に変換すること

ここまでお話しました。

そして、

世の中にはプロ用の100万円クラスのオーディオインターフェースから2~3千円クラスの入門用まで超ピンきりにあります。
この値段の差は何か!?

というお題を残しておきました。
ここからお話をしたいと思います。

じつはこの値段の差は・・・

「D/A変換」なんです。

デジタルデータをアナログ信号に変換する技術=良い音で再生する技術
ここに物凄くコストがかかるのです。
すなわち高いオーディオインターフェースを使う意味

「デジタルデータを良い音質で再生すること」

ということなんですね。
一方「A/D変換」は値段の差が全くと言っていいほどありません。
いかに安いオーディオインターフェースのA/D変換でもデータの精度は超高級機種と殆ど変わらないのです。

さて、みなさんがオーディオインターフェースを買わなければいけないと思うキッカケは何だったでしょうか?

よくDTM情報雑誌やネットの掲示板などでは

「良い音で録音するにはオーディオインターフェースが必要だ!」と書いてあります。
それでは「録音する」というのは何の技術を用いることでしょう!?

答えは「A/D変換」です。

単純に「マイクやギターなどのアナログ信号をDAWに録音する」のであればどんな安いオーディオインターフェースを使っても出来上がる(録音される)デジタルデータには全くと言っていいほど差が生まれません。

オーディオインターフェースを選ぶ基準は

「どの再生音質で自分が満足できるか」

という事になります。
そして音質の基準とは何か!?
それだけは「自分で決めるもの」なのです。
世の中でどんなに「あの機材がいいよ」と言われようとも絶対に自分の耳で判断して決めるべきです。
そのために楽器屋さんがあるのですから。

このお話もまたみなさんに誤解が山のように伝わっているところなのでゆっくりと伝えていきたいと思います。

さて、そうは言ってもいくつかオススメの機材を書きますね。
これらは「音楽制作の上で基準を満たした」音質という意味で選んでいます。
この基準とは簡潔に言えば、

「音楽制作上の微細な音変化がはっきりと分かる色付けの少ない音」

です。
では、最初の機種。メーカーの特徴も合わせて書きます。
それから、あくまでも個人ユースという意味で利便性の高い「アナログミキサー一体型」で選んでいます。


ベリンガー/XENYX 302USB

SOUNDHOUSE
最もCPの高い機種を作るメーカーがベリンガーでしょう。
その圧倒的な安さゆえに一時期は「安かろう・悪かろう」のイメージが有りましたが、近年の品質管理向上でその信頼性とパフォーマンスには眼を見張るものがあります。
音質的にはどっしりとした低域と独特のカラーを持った高域が特徴です。
やや中域と超高域の情報が少なめなのと機種のもつノイズが少しあります。
ノイズに関して言うと、デジタル全盛の今ではノイズ=悪のイメージですが、アンプ=増幅からノイズの発生は絶対に逃れられません。
この機種に関して言うと、ゲインをMAXにするとそれなりにノイズが気になりますが、スピーカー等の接続においてそこまでゲインを上げることはないと思います。
通常セッティングでノイズが気になることはまずないでしょう。
それよりも、個人の音楽制作やたとえばwebの生放送配信などの用途を想定された機能の充実が本当に素晴らしい。
もしもこれからDTMを始めて、ボーカルやギターの録音が必要になったらまずはベリンガー/XENYX 302USBをイチオシでお薦めします。
(私のポータブルスタジオで使ってますがこれでマスタリングまでやった曲もあります)


ヤマハ/AG03-MIKU


「音」に対する真摯な姿勢のもと忠実な音の再現という意味では最もベーシックでスタンダードな会社がYAMAHAだと思います。
なんにも余計な色がついていない。
とは言っても全くつまらない音でもない。
適度な色気を感じる音。
私自身が大事にしている音楽制作で重要な要素の一つに「やる気を出させる音」というものがあります。
「色気」という表現を私は使いますが、これがバランスを保ったまま適度に持つ音というのがなかなか難しいのです。
まさしくYAMAHAはバランスを保ちつつ色気をもった忠実な音。そんな表現になる音と捉えています。
このAG03-MIKUはそんな説明からはかなり遠いポップな見た目、ボカロの「初音ミク」をフューチャーした製品ですがしっかりとYAMAHAマインドが継承されている機種です。
これと最近確実に名声を高めてきているYAMAHAスピーカーMSP5 STUDIOとはベストマッチな組み合わせです。


MACKIE/ONYX820i


スタジオクオリティの音質と堅牢性をホビーユースの価格帯にまで押し込めた製品で名声を高めたのがMACKIEです。
15年ほど前の一時期、かなり品質が低下した時代もありましたが現在では厳格な品質管理の元、完全に信頼性を取り戻しており素晴らしい製品を世に送り続けています。
特に上位機種のONYXシリーズは完全にスタジオクオリティに到達している超高音質、堅牢性、信頼性においてほぼ完全と言える製品です。
音質の特徴としては剛性の高さを感じる低域、十分に情報の詰まった中域、適度なざらつき感(こ れ重要・色気の元)を含んだ高域。
アメリカンな腰の太い、パワフルだけど繊細さも兼ね備えたな音が特徴です。
特にウリである ONYXマイクプリアンプは非常に評価が高いです。
少し使われなくなってきたFireWire(IEEE1394)のみの接続ですがUSB接続よりもCPU負荷が少なく、非常に安定した動作をします。
このクオリティになるとマイク機種やケーブル、コネクターなどにもこだわりたくなるものです。
(この話もまた地獄のように深いのでゆっくりします!!高いのがいいわけじゃない!!!)
もしも予算に余裕のある方はこの機種を全力ですすめます。
(私のメインスタジオ環境がこれの多チャンネル版 ONYX1220iです)

サウンドハウス


以上、オーディオインターフェース編でした。
音楽制作環境は機材が増えたり、やることが多岐にわたったりするなど変化を伴うことがとても多いです。
そんなときにアナログミキサーがあると臨機応変な対応が可能になることがとても多いので、おすすめ機種は「アナログミキサー一体型」オーディオインターフェースとしました。

この次のお話もまた楽しみにしてください!

Music Planzアカデミーも是非よろしくお願いいたします。